
この記事は、複数の上場企業で役員を務め、企業経営と採用・人事評価に携わってきた筆者が、役員の本音を交えながら解説します。
履歴書は「採用」を決めるものではない
履歴書の役割は、この人と会ってみたいと思われることにあります。
少し名の知れた企業であればエージェントに依頼すれば、履歴書は山のように送られてきます
(名の知れない企業も依頼や広告をかければかなりの量の履歴書を受け取ります)。
転職エージェントに登録してスカウトが来たとしても話の内容は、エージェントからこのような企業があります応募してみませんか、
という内容かと思います(企業から直接スカウトが来る場合は別ですがほとんどはエージェントが応募してはどうですか、というものになるかと思います)。よくCMにあるこんな企業から・・・、という状況はあまり起こらないと思います(基本的にはエージェント経由です)。
つまり企業には多くの履歴書が集まります。この中から、選考を行うわけです。
ここで『会ってみたい』、と思われなければ、選考は終了となります。
どのようなときに「会ってみたい」と思われるのか
主に以下の2点を見ています。
【採用しようとしているポジションのイメージに合致しているか】
これは、いくら優秀でも、映画で言うところの求めている配役のイメージと異なれば、優秀なんだろうけど少し違うなとなります。
このあたりが書類選考で通らなくても気にする必要はないひとつの要素になります。
⇒次の項、役員は履歴書のどこを見ているか、を参照ください。
【この組織で成果を出せそうか】
⇒次の項、役員は履歴書のどこを見ているか、で解説します。
役員は履歴書のどこを見ているのか(3つの確認ポイント)
【読み手を意識して何とか伝えようとしているか】
自分はこれをやって来たので、やって来たことを羅列すれば向こうが考えるだろう、では難しいということになります。
今の転職マーケットを考えればこのようなことを知りたいはずだ、また、特定の企業に応募する場合は募集要項を読み解いて内容の配列や表現を募集要項にヒットするように変更する必要があります。
その努力は、実は見ると分かります(努力は結果がどうあろうと汲まれています)。
【自分のやって来たことの意味、そこで醸成された能力を深堀出来ているか(構造を掴んでいるか)】
自分がやってきた仕事を、ただ時系列で並べるだけではなく、その仕事にどのような意味があり、そこで自分にどのような能力が育ったのかを、自分自身で掘り下げられているか。
例えば「営業を担当していました」だけではなく、顧客の課題を整理・設計部門/製造部門とのコストや実現性についての検証・再提案等、顧客の課題に対して、組織の能力を引き出せばどこまで何が可能かを顧客にぶつけていましたと、書かれていれば、その人が営業として、その経験通じて何を身につけたのかが伝わります。
仕事の経験には、必ず構造があります。経験の羅列だけではなく、動きの広さと深さ、そのつながり等が分ると全く違います(また、このようなことを考えながら書くと自分自身の経験への洞察が深まり、勉強になります)。
【成果を中心に構成されているか】
良くない例から挙げると、
経験の羅列になっている⇒こんなことをしました、こんなことをしました、と書いてありますが、どのレベルでどこまでやったのかが分かりません。
やってきたことの構造が表現されていない⇒時系列で経験が積み上がっている場合、前職または前部署の、このような取り組みのこの部分が次に生きているんだろうなという形で力が積み上がりスキルや能力が発展・拡大していることが分かる必要があります。よく、なぜこの取り組みの後にこの取り組みが行われているのかがわからず履歴書によっては、同じ場所をぐるぐる回っているだけではないかと取れるものがよくあります(実際はそうではないとしても)。
明確に自分の経験にはストーリーがあり、成果を出しながら(時には失敗しながら)その経験を次に生かして力を拡大させている印象を持ってもらうことが必要です(実はこの段階ではあくまで印象でOKです)。
面接で履歴書との整合性を確認していたこと
必ず、なぜ応募して頂いたのですか、と、これまでやって来たことを簡単に説明してください、はほぼ必ず聞かれると思います。これは、履歴書では表現しきれなかった実際の応募理由とやって来たことを聞きたい、ということもありますが、主には以下の2点を見ます。
①目的(応募しているポジションについて私は十分な能力を持っていますよということを分かってもらう)に向かって体系立てて論点を整理して、会話を組み立てることが出来るか。
②やって来たことを聞いた後に、その中でこのようなことがあると思いますが、その時にはどう対処しますか、どのような進め方をしましたか、上手く行かなかったことはどのようなことですか、どのようなリカバリーをしましたか、等の実戦での能力値を確認します。
その中でこのようなことがあると思いますが、という形で当社が求めている能力に合致しているかどうかを確認するためのケースを投げます。そこで経験の広さや深さ、本当に成果を上げて来たのかを確認します。
応募しているポジションに合致した人材か、成果を出せるのかを面接では確認します。
まとめ
よって、履歴書を作成する大きなポイントは、応募ポジションに対応できる十分な能力がありますよ、と、成果を出せますよ、ということを頭を使って表現できるか、ということになります。
次の記事はこちら👉役員は面接で何を見ているのか
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